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楢神社

nara





  祭  神:五十狭芹彦命 鬼子母神
  説  明:栞によりますと、
      「御祭神・五十狭芹彦命は孝霊天皇第二皇子であらせられ、崇神天皇の
       勅命を奉じ、四道将軍として山陽道を平定された勲功によって、山陽
       地方では吉備津彦命と称え斎き祀り申し上げている。
       当社の伝聞によれば、山陽道平定後、一旦帰京され、再び勅を奉じ、
       北陸道の平定に向かわれ、勲功をお建てになって彼の地で崩御された。
       その智・仁・勇に秀でられたご神徳を畏敬しお慕い申し上げナラツヒ
       コ(奈良豆比古)命とも申し上げて、お祀り申し上げている。
       鬼子母神は、当社の古版木に『往古、加賀国白山の嶺に現れ給いて、
       御神諱を石川比売命と号し奉る。御本地は訶黎帝母に存し、此神慈照
       方便深くして抜苦与楽の御神なり。御神誓空しからず和光同塵の眼を
       開き給い小児を愛し万民撫育し給うこと世の人の知る処なり』とある。
       更に『白山から天真榊に乗って当地に影向あらせられた』とある。
       この二柱の御神霊を併せ崇めて楢大明神と称え奉り祭祀し奉る。」
      「御鎮座 神護景雲元年(西暦767年) 称徳天皇在位
       白山の嶺より天真榊に乗り給いて当国石川乃川上楢郷に着き給いて、
       此神木に影向あらせ給い光りを放ち給う。庶人奇異の重いをなして人
       皇四十八代称徳帝の御宇奏聞を遂げ神護景雲元年九月十三日神託によ
       り此処(上の宮)へ社殿を造営した、と古版木に見える。その後風雪
       に朽ち兵火に焼失して現在地に遷座申し上げた。」
      「御神徳
       奇御魂
       不思議な御神霊による『子授けの御神徳』は古くから有名である。御
       神徳にあやかり授かった子供は『楢』『奈良』の字を頂いて命名する
       のが慣しであった。大阪の住友楢光、画家の小出楢重などである。
       また、健康の優れない子供の場合、子供を神前に捨て子して健康を祈
       願すれば、丈夫な子供に育つ霊能を授けて下さる子供の守護神として
       広く崇敬されてきた。
       幸御魂
       慈悲深い御神徳は、ご神井に豊かに湧き出る清水のように、家族円満・
       家運隆昌の恩頼を幸わえ給うのみでなく、長命与楽のご神徳はつとに
       名高い。八代目市川団十郎は、一族の繁栄を祈願して『ならの葉の広
       き恵みの神ぞとは、此の三益井を汲みてこそ知れ』と献歌と共に一族
       の名前を刻んだ井筒を奉納している。
       和御魂
       和光同塵の慈愛をもって万民を慈しみ給う御仁徳は、額ずく人々に、
       大らかにして沈着な人となりを育み給い、学業成就、事業成就を祈願
       する人々の崇敬の的とされる。
       灯篭、玉垣に刻まれた、生田の実業家の名前が御神徳の高さを物語っ
       ている。
       荒御魂
       武勇に秀で、知略に長けた御神徳は、英知に優れ、苦難に雄雄しく立
       ち向かう思慮に富んだ逞しい人柄を授けて下さる神として、激しい受
       験戦争や複雑な人間関係の社会で活躍される人々にとって厚い信仰の
       的となっている。」
       とあります。
  住  所:奈良県天理市楢町443
  電話番号:
  ひとこと:鬼子母神という名前を聞いたことはありますか?
       この神様は、インドでは、ハーリティ(訶黎帝母)と呼ばれる女神で
       した。
       五百人もの子供を持つ母親だったのですが、大好物は、人間の子供。
       今日も今日とて、捕まえてきた人間の子供の頭をバリバリと食べてい
       たわけです。
       あまりにも残虐な仕打ち、と、考えたお釈迦様は、このハーリティの
       末息子を隠してしまいます。
       500人の子供の数を数えられるなんて、さすが「鬼」。
       ハーリティは、びっくりして、あちらこちら探しまわり、落胆し、絶
       望の涙を流します。

       頃はよし、と見たお釈迦様が、
      「お前は500人も子供がいるのに、一人でも欠けるとそれほど嘆いた。
       それならば、一人子を奪われた母親の気持は想像できるだろう?」と
       諭します。
       ハーリティは、深く反省し、それから、子供を護る慈悲深い神様にな
       りました、という、前科あり、の神様です。
       それからは、人間の子供の代わりに、「石榴」で我慢した、なんて話
       もあったりします。うきゃ〜。

       しかし・・・。なんつぅ傲慢な話。

       かわいくて頭がいい鯨を食べるな!とか騒いでるどこいらの団体と、
       この物語のお釈迦様、どう違うってんでしょね??

       ってなことは置いといて。
       このハーリティと似たような神様がギリシャにもいます。
       名前は、ラミア。

       ポセイドンの娘でもあり、絶世の美女でもあった彼女は、ゼウスに愛
       されます。
       ところが、必ず出てくる、嫉妬深いヘラのため、その子供たちは殺さ
       れてしまうんですね。
       気がふれてしまったラミアは、下半身が蛇の化け物となり、子供を攫
       っては食べるようになります。

       ハーリティが、残虐な子殺しから、慈愛に溢れる母親神と変身したの
       に対し、ラミアは、慈愛に溢れる美女から、子殺しの化け物に変じて
       しまうわけで、ここらへん、他人の干渉のし方がまずい(つまり、ヘ
       ラが子供を殺しちゃったことですね)と、えらいことになるというの
       がわかります。
       同じ他人の干渉でも、お釈迦様の接し方は、うまかった、と。

       ハーリティは、「悔い改めた」神様です。
       悔い改めた人と、悪を知らない人がいたとしたら、あなたなら、どち
       らに、悩みを打ち明けたり、相談事をしたりしますか?

       そこに落とし穴があることを知らずに、落とし穴に怯えない人間と、
       落とし穴がある事を知っていて、果敢に前進する人間とでは、深みが
       違う・・・かな?
       エラそうなこと言わんとこ(^^ゞ

       なんにせよ、大好物断ちをしたというだけでも、この鬼子母神という
       神様はありがたい神様なのだ、と思うのでした。

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