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稲爪神社

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  祭  神:大山祇大神 面足大神 惶根大神
  説  明:ご由緒書を転載します。
      「祭神
       大山祇大神(天照大神の御兄神で繁栄、知恵、幸福、健康を授け給い、厄難を
             祓う神)
       面足大神 (特に御顔立ちの整い給う、美を授け給う神)
       惶根大神 (美しく、賢く聡明で、知恵を授け給う神)
       面足大神・惶根大神は中睦まじい夫婦神であり、縁を結び、夫婦円満を授け給
       う神

       創立 
       推古天皇の御代(約千四百年前)

       創建者
       小千益躬

       縁起
       推古天皇の御代、三韓我国を傾けんとし、不死身の鉄人を総大将として八千余
       人来攻したる際、伊予国小千益躬、之を迎え討てとの勅命を受け、氏神愛媛県
       大三島大山祇神社に勝運成就の祈願をし、播州明石にて迎え討つ。
       此の時大山祇大神の瑞験によりて一天俄にかきくもり、稲妻稲光の中に鉄人を
       討ち滅ぼすことが出来た、依って大山祇大神の現われ給うた地に一社を建て、
       稲妻大明神と崇め奉り、後世稲爪神社となった。
       当神社は昔から信仰の厚い神社で、神社創立の縁起の通り一願を素直な心でお
       願いされましたら、必らず御神徳を蒙り成就しますから、真心をもって御加護
       をお祈りください。」
  住  所:兵庫県明石市大蔵本町
  電話番号:
  ひとこと:播磨の神社伝説は、大和の神社伝説とは、すこ〜し、香りが違います。

       ん〜、ちょっと気障(?)な表現をすると、海の薫りが強いんですよね(笑)。

       海に通じるということは、外国からの攻略を受けやすいということでもあり、
       武器や海運などの御霊験あらたかな神社が多いような気がします。

       大和の神社が、どちらかというと内向き・・・つまり国内の平和の為の祈り、
       例えば、祈雨・風治め・疫病封じなどの御霊験が目立つのに対して、播磨は、
       外向きなんですね。

       この神社も、外敵から守ってくださった神様なようです。

       しかし、「鉄人」というのは、何気に惹かれるネーミングです。

      「鉄人」と言われて、何を思い浮かべますか?

      「わ〜たしの記憶が正しければぁ・・・」
       と思わず呟いてしまう方が多いと思いますが、
      「正太くん!!!」
       と叫んでしまう気持ちの若い女性も多いでしょう(笑)

       前者は、過去ブームとなった料理バトル番組。
      「料理の鉄人」
       で、メインキャラを演じていた鹿賀丈史さんの決まり文句です。

       後者は、テレビアニメ(実写版もあるのかもしれませんが、わたしゃ、見たこ
       とございませんねん)「鉄人28号」の主人公の名前ですね。
       ちなみに、「ロリコン」の対語である、「しょたコン(大人の女性が、いたい
       けな少年をこよなく愛好してしまう性癖)」は、この「正太くん」からきてい
       るということを付け加えておきましょう。

       三省堂の「大辞林」で「鉄人」をひくと、
      「鉄のように強靭な肉体を持った人」
       と説明されています。

       つまり、「鉄」とは「ものすご〜く硬い!」というイメージのある物質だとい
       っていいと思います。

       その「鉄人」しかも「不死身の鉄人」を、稲妻が打ち負かすというのは、なか
       なかに面白い。
       この由緒が語られた時代、雷は金属に落ちると考えられていたのでしょうか?

       話しは脱線しますが(毎度のことですが)、フランクリンの落雷実験でも明ら
       かなように、雷は「より高いもの」を好むので、雷が鳴ったときは、金属を外
       すことに注意を傾けるよりも、より姿勢を低くすることを心がけるべきなんだ
       そうです。

       そんなわけなので、ジャンケンのグーチョキパー式に、鉄に稲妻を持ってきた
       のかどうかが、興味を惹かれるところです。

       グーチョキパー式ってのは、ちょっとよくない表現ですね。
       えぇっと、わかりやすく説明しますとですね。

       例えば、ジャンケンでは、

       紙(パー)が石(グー)を包んでしまい、石は鋏(チョキ)で切ることができ
       ず、鋏は紙をちょん切ってしまう・・・

       という図式になってます。

       まぁ、鋏が紙に勝ち、その鋏が石に負けるというのは、感覚としてわからない
       ではありませんが、紙が石に勝つというのは、あまりにも無理からな気がしま
       す。
       でも、それが「ルール」なんですね。

       つまり、実際には、決して、雷は必ず鉄に落ちるわけじゃないのだけれど、お
       約束として「鉄を滅ぼすのが雷である」と考えられていたのかどうか、という
       のに興味を持つわけです。

       日本で、雷神信仰は、かなり古いと思われます。
       例えば、雷の閃光を「稲光」「稲妻」と言うように、「稲」と「雷」は、かな
       り関係が深いと思われていたようです。

       高鴨神社の宮司さんとお話をしていた時、
      「田圃に避雷針を立て、意図的に雷を落とすことにより、土壌が富むということ
       を、古代の葛城の人々は知っていました」
       とおっしゃっていました。

       雷神は大きな音と光により、恐れられてもいましたが、田圃を豊穣にする恵み
       の神でもあるのですね。

       その「恐ろしい田圃の守り神」が、「とても硬い鉄」を負かすという発想があ
       るのだとしたら、もしかしたら、「農作民」と「狩猟民」の争いを象徴化して
       いる可能性もあるんじゃないか、と。

       そんなことを考えてしまいました。

       しかし、ギリシャ神話でも、雷は、最高神・ゼウスの武器です。
       ケルト神話でも、「トールの槌」という、最強の武器だったと。

       雷について、
      「もんのすご〜〜〜く強いもの」
       というイメージは、全世界共通のものでしょう。 
       雷を農作に強引に近づけるつもりもありませんが・・・。
       ただ、この「鉄人vs稲妻」の戦いが、日本と外国の間のものであったとは限ら
       ないなぁ・・・とは、思うのでした。

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