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蘭宇氣白神社

araragi

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飯福田寺の奥之院




  祭  神:健速須佐之男命 伊邪那美命 天之忍穂耳命 天兒屋根命
       天之菩卑能命 大国主命 天津日子命 仁徳天皇 活津日子根命
       宇迦之御魂命 能之久須毘命 火産霊命 多紀理毘売命 
       蛭子命 市寸島比売命 菅原道真 多岐津比売命 
  説  明:なんと17柱もの神様が祀られています。
       
       それもその筈、この神社は、蘭神社・宇氣比神社・白山神社が合
       祀されてできた神社なのだそうです。
       
       白山神社は本来飯福田寺の境内地にあったようで、その奥之院は
       崖に鎮座しており、参拝には「蟻の戸渡」やら「のぞき」やら、
       恐ろしい目に合わねばなりません(笑)

       さて、繋がりのある神様を列挙していきましょう。
       まず、天照大神の息子であるところの、天之忍穂耳命・天之菩卑
       能命・天津日子命・活津日子根命・能(熊)之久須毘命は、須佐
       之男命と、天照大神が、誓約をしたときに天照大神の珠より産ま
       れた神々で、通常五男神と呼ばれます。
       多紀理毘売命・市寸(杵)島比売命・多岐津比売命は、同じく誓
       約の時に須佐之男命の十拳剣より産まれた女神で、通常宗像三女
       神と呼ばれる須佐之男命の娘神です。
       大国主命は、須佐之男命の婿ですね。
       宇迦之御魂命・火産霊命・蛭子命は、伊邪那岐命・伊邪那美命の
       子供。
       出雲と高天原の和合の立役者と、イザナギ・イザナミの御子とい
       う組み合わせの中に、菅原道真公と、仁徳天皇と、天兒屋根命が
       入っています。
       いにしへの日本の大物達を祀られた神社に、知恵者達が、参入。
       そんな感じでしょうか。
       
       でも、白山神社が合祀されてないのに、菊理姫がいないのがなぜ
       なのか、謎です。
  住  所:三重県松阪市大字柚原
  電話番号:
  ひとこと:とにかく、きれいな神社です!まず、水がきれい!前を流れてい
       る川の水そのままがつくばいに流れ込んでいますが、飲んでしま
       えるほどの澄度です。
       そして、「蘭」神社の名前が示すように、群生する、蘭?の花が
       きれい。
       写真ではわからないかも知れませんが、蘭の花の向こうに鳥居が
       見えます。こんなのどかな神社で、一日中のんびりしたい・・・
       なんて考えていると、続々入ってくるトラック。
       なになに?何があるの?とじぃっと観察すると、トラックからは
       み出るなんだか細い棒!ん????あ、脚だぁ。多分鹿の脚だ!
       そう、ここは、猟が出来る地帯のようで、銃を持ち、2匹以上の
       それは賢そうなわんちゃんを連れた人達が車から降りてきました。
       わぁあ。
       脚がまだぴくぴくしてるよぉ。

       鹿刺しの味ってどんなかなぁって考える自分と、神社の美しさに
       神聖な気分になる自分と、悲しそうにぴくぴく脚を動かす鹿に対
       する生きている限りどうしょうもない人間の営みに対する思いと、
       同情と。
       考えが、ばらばらになりながら、「おいしく食べてもらえますよ
       うに」と、祈るのみの私でした。
 
       んでもって、私も料理をする時は、なるべく無駄なく、おいしく
       作らねば!と決心を固めたのでありました。
       
       さて、この神社は神社紹介を始めた当初にお参りし、2022年に再
       度お参りしています。
       
       津の「白鷺伝説」は、加賀白山に修行した鎮徳上人が、御幣7つ
       を持ち帰ったところ、白鷺になって飛び立ったとするものです。
       白鷺が飛び降りた地は、倭白山比盗_社、飯福田、山田野白山比
       盗_社、竹原神社、八ツ山神社、家城神社と川口白山比盗_社。
       飯福田の白山神社が宇氣比神社と共に蘭神社に合祀されたのが、
       当社です。
       
       しかし普通「蘭」をなんと読みますか?
       「らん」じゃないですか?
       
       だけどこの神社の社名は「あららぎうきはくじんじゃ」と読むの
       です。
       
       蘭神社に宇気比神社・白山神社が合祀されたから、それぞれの字
       をとった社名になったそうです。
       
       宇気比は「うけひ」と読み、別の字に直すと「誓約」。
       古代において、誓約には力がありました。
       一般に「誓約神話」といえば、天照大神と素盞嗚が、互いの神具
       をとりあって五男三女を産んだエピソードを指します。
       三女はいわゆる「宗像三女神」で、その一人が市杵島姫神社。弁
       天様と習合した芸術の女神です。
       
       そして問題の「あららぎ(蘭)」です。
       あららぎはイチイの樹木の別名。
       同時に、野蒜の別名でもあります。
       
       イチイは貴族や神職さんが手にする笏になる樹で、最初の笏を作
       ったのは飛騨の両面宿儺だとか。
       それが素晴らしかったので、正一位を与えられ、それがゆえに
      「イチイ」の名がついたと言います。
       日本書紀によれば、両面宿儺は頭の後ろにも顔を持つ化け物で、
       四道将軍の武振熊に退治されたとされます。
       しかし実際には、朝廷にそれほどの力があったわけではなく、笏
       をもらって手を打っただけなのかもしれません。
       
       野蒜は春の田んぼの畔などでよく見かける、細いねぎのような植
       物。抜くと、小さなたまねぎのようなものがついています。
       強い香りがあるゆえ魔除けとされ、大和武も敵対する神に野蒜を
       投げつけて倒しています。
       
       こうしてみると、イチイと野蒜は正反対の性質を持つようです。
       そこにまたまったく分野の違う植物である「蘭」の字が宛てられ
       たのはどうしたことか。
       
       和歌山の棚田の名所「あらぎ島」の「あらぎ」は多分、野蒜じゃ
       ないかなと思います。
       田んぼに生える植物だし。
       
       でもここ蘭神社の「あららぎ」はどっちでしょう。
       イチイらしき樹木はなく、野蒜が生えそうな環境でもありませんでした。

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