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村屋坐弥冨都比売神社

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  祭  神:三穂津姫(弥冨都比売)命 大物主命
  説  明:境内案内板を転載します。
      「別名 森屋の宮」
       後は、ご由緒書を転載します。
      「延喜式内大社で、旧県社、大神神社の別宮。
       日本書記によると、主神 三穂津姫命は、高皇産霊命の姫神で大物主命が国
       譲りをされたときその功に報いるためと大物主命の二心のないようにという
       願いから、自分の娘を贈られたという神話に出てくる神である。
       この故事から縁結びの神、家内安全の神として信仰され、大物主命は大神神
       社の祭神で、その妃神を祭っていることから、大神神社の別宮とも称せられ
       ている。
      『延喜式』神名帳 式下郡に村屋坐彌冨都比賣神社・村屋神社・久須須美神社・
       服部神社が記載されており、天武天皇元年壬申の乱のとき村屋神が神主にの
       りうつって『わが杜の中を敵が来る。社の中つ道を防げ』と大海人皇子方の
       大伴連吹負将軍に軍備に対する助言をした。この功績によって神社として初
       めて位を天皇から賜ったと日本書紀に記されている。
       その後も何度か位を賜り現在正一位森屋大明神の呼称が残っている。
       壬申の乱の功を後世に伝えるためにこのとき功のあった三神を回る御渡が例
       祭に行われていた。三神とは村屋神を祭る村屋神社、事代主命を祀る久須須
       美神社、生雷神を祀る森市神社である。
       天正の頃(1580年頃)戦火に遇い社地を奪われ財源がなくなり、一時祭
       祀は中絶していたが、慶長四年(1599)五二代神主大神(森本)政重に
       よって、現在の規模に縮小して再興を果たしたとされている。」
  住  所:奈良県磯城郡田原本町蔵堂426
  電話番号:07443−2−3308
  ひとこと:気になるのは、境内案内図を見ると、池の真ん中にある島に、
      「物部神社・市杵島姫神社」が鎮座することです。
 
       ご祭神 炊屋姫命
           物部守屋連宇麻志摩遲命
         配 物部守屋連
       と記されています。

       ご由緒書にはそのご由緒の説明はないのですが、公式サイトを拝見すると、
      「由緒不祥、神主の祖神を祀ったといわれている。」
       と説明されています。

       炊屋姫命とは、物部氏の遠祖・饒速日尊の奥さん。
       神主さんは、物部氏だったのでしょうか。
       とすると、俄然、気になってくるのが、この神社の別名「森屋の宮」。
      「村屋」からの転訛と考えるのが自然ではありますが・・・。
       物部で「森屋(もりや)」と来たら、
       物部守屋を思い浮かべませんか?
       もしかして、初代神主とは、物部守屋公??

       それに・・・。
       このご由緒に書かれていることは、本当に三穂津姫と大国主命の物語なので
       しょうか。
       実は、炊屋姫命と饒速日尊の間に起こった物語だとか。
       だって、饒速日尊も、神武天皇に大和国を譲ってますからね。

       そうすると、そうすると!!!!!

       ・・・まさか・・・ねぇ(笑)?

       さて、ご由緒を見ると、国を譲って貰う代わりに、三穂津姫命は嫁いだとい
       うわけですね。
       そんでもって、そこには、大国主命が心変わりをしないように、という意味
       も篭められていた、と。

       つまり、三穂津姫命は、ものごっつい別嬪さんだったんでしょう。
       なにしろ、国と引き換えですからね。

       そして、このご由緒を、意地の悪い見方で解釈すれば、ですね。
       大国主命は、少彦名命という「親友」と一緒に国造りをしたわけです。

       それが、三穂津姫命を嫁にくれる、といわれて、親友との思い出の詰まった
       国を譲り渡しちゃった・・・と。

       友情より恋を取った、大国主命。
       そういう見方も出来るわけですよね(笑)

       しかしまぁ、そんな単純な話ではないでしょう。

       日本書紀を見てみましょう。

       この姫神の名が登場するのは、「一書(第二)」。
       国譲りの交渉が済んだ後のこと。

      「ときに高皇産霊尊が、大物主命に勅されるのに、『お前がもし国つ神を妻と
       するなら、私はお前がなお心をゆるしていないと考える。それで、いまわが
       娘の三穂津姫をお前に娶あわせて妻とさせたい。八十万の神たちをひきつれ
       て、永く皇孫のために守って欲しい』といわれて還り降らせられた。そして
       紀の国の忌部の遠祖である手置帆負神を笠作りの役目とされた。天目一箇神
       を鍛冶の役とされた。天日鷲神を布を造る役目とされた。櫛明玉神を玉造り
       の役目とされた。太玉命を弱い肩に太い襷をかけるように、天孫の代理とし
       て、大己貴神を祀らせるのは、ここから始まったのである。」

       ちなみに、大国主命と、大物主命、大己貴神は、同一神とされています。

       この一書(第二)は、交渉に出かけた、経津主神と武甕槌神が、武勇を見せ
       る余裕もなく、大己貴神に、
      「お前らの言うことどうも信用できん」
       と突っぱねられたりして、面白い「一書」の一つです。

       で、最後の一文がちょっと理解しづらいんですが、つまり、太玉命を天孫の
       代理として、大己貴神を祀ったという意味でしょう。

       しかし、この文章を読むとですね。
       高産霊神が、三穂津姫命を、大己貴神に嫁がせたのは、
      「大己貴神の心を試すため」
       と読めます。

      「国つ神を娶るなら許さんが、私の娘を娶るなら、信用してやる」
       という二者択一を迫った、と。

       そう考えると、大己貴神には本命の女神がいたのかもしれません。
       しかし、その女神は国つ神で、高産霊神にとっては脅威と感じる女神だった。
       だから、その女神との仲を引き裂き、自分の娘と結婚させようとした。

       この場合も、三穂津姫はかなりの美女神だったでしょう。
       大己貴神に、本命女神を忘れさせる必要があったわけですからね。

       しかし、女の私としては、気になるのが、三穂津姫の気持ですね。

       なにしろ絶世の美女です。
       あちこちから求婚されていたでしょう。
       三穂津姫にだって心があります。
      「こんな人がいい」
       という理想もあるでしょうし、もしかしたら、心に決めた男神がいたかもし
       れません。
       が、乱世の悲しい運命よ。
       三穂津姫は美姫であったがために、「褒美」として、初見の男に嫁がされた
       のでした・・・。

       こう考えると悲劇です。

       しかし・・・。
      (特に男性向けの)小説やら、漫画やらを見ていますとですね。
       こんなシーンが出てきます。

       地位のある男が、有望と思われる若手を、
      「いい女」
       に見合わせる
       そして、その「いい女」に、
      「どうだ、この男と寝ても(結婚しても)良いと思うか?」
       と尋ねる。
      「いい女」の答えが「YES」なら、地位ある男はその若手を引き立て、
      「NO」なら、そのまま捨て置く。

       つまり、「いい女」には、「いい男」を見抜く力がある、という「神話」も
       しくは「迷信」がある、と考えられるわけです。

       しかし、「神話」「迷信」とも言い切れません。
      「割れ鍋に綴じ蓋」と言いますが、街を行く大概のカップルは、「お似合い」
       です。
      「いい女」が「いい男」に引き寄せられるのは、自然なことでしょう。

       アメリカで、身も蓋もない、心理テストが行われたそうです。
       内容はですね。

       容姿の魅力的な男性グループと、容姿が魅力的でない男性グループ。
       それから、容姿の魅力的な女性グループと、容姿が魅力的でない女性グルー
       プ。
       これらのグループを、一つの宴会場に投入します。

       すると、どうなるか。

       見事に、容姿の魅力的な男性と女性ばかりが集まったグループと、容姿の魅
       力的でない男性と女性ばかりが集まったグループに分かれたんだとか。

       確かに・・・。
       特に、中学生・高校生くらいの二人連れ(同性・異性を問わず)を見ると、
       容姿的にも「似ている」ことが多いように思います。

       そこそこ年齢が増してくると、魅力は容姿だけから発生するのではない、と
       いうことが分かってくるのですけれどね。
       しかし反対に、心の魅力は容姿に反映されるのも事実ですから、容姿を見れ
       ば、ある程度の内面的魅力も判別できる、とも言えますが。
       つまり、容姿の魅力だって、顔の造作云々ではなく、表情だとか、目付きと
       か、後天的な要素に左右されるものが大きいですよね

       ・・・と、話が逸れましたが、
       三穂津姫を大己貴神に嫁がせるという話の前に、
       高産霊神と三穂津姫の間で、こんな会話が交わされていたかもしれません。

      「三穂津姫、わしは、あの大己貴神という男を生かすか殺すか悩んでおる。
       なにしろ、出雲の国を作り、束ねていた男だ。生かしておいたら脅威になる
       やもしれん。しかし、殺すには惜しいような気もする。
       三穂津姫、お前は、あの男、どう思う?」
      「お父様、私はあのお方は、素晴らしいお方だと思います。生かしておくべき
       ではないでしょうか。」
      「ふむ。いい男だとな?
       では、そなた、あの男に嫁ごうと思えるか?」
      「ええ、勿論ですとも。」
      「そうか。そなたほどの女がそこまで言うなら、あの男、生かしておいてやろ
       う。」

       なんて。

       まぁ、妄想ではあるんですが・・・。
       このご祭神である、三穂津姫。
       女性の目から見ると、なんだか、かなり魅力的な女性に思えるんですよね。

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