祭　　神：日本武尊　天照皇大神　大己貴命
　　説　　明：熊襲（クマソ）、東国などを討伐した後、伊勢で崩御された、
　　　　　　　日本武尊（ヤマトタケル）の死をいたく嘆かれた、父・景行
　　　　　　　天皇は、御名代として、建部を定められました。これが、建
　　　　　　　部の起源だそうです。

　　　　　　　また、古事記では、倭建（ヤマトタケル）と、妻・布多遅比
　　　　　　　売（フタヂヒメ）の息子・稲依別王が、建部氏の祖先である
　　　　　　　と書かれています。
　　住　　所：滋賀県大津市神領１丁目１６−１
　　電話番号：０７７−５４５−００３８
　　ひとこと：ヤマトタケルと言えば、「大和は国のまほろば」と歌った、
　　　　　　　英雄ですが、実は「日本書紀の日本武尊」と、「古事記の倭
　　　　　　　建命」は、かなり、性格が違います。

　　　　　　「日本武尊」は、完璧な英雄です。
　　　　　　　熊襲を倒し、東国を討伐し、荒ぶる神を退治し、病に倒れて
　　　　　　　しまいますが、嘆き悲しんだ父により、「建部」を定められ
　　　　　　　ます。

　　　　　　　翻って、「倭建命」は、やはり、英雄ではあります。
　　　　　　　しかし、かなり、こう・・・。やんちゃな英雄なんですね。

　　　　　　　父・景行天皇の妃を横取りしてしまった、大碓命（倭建の兄）
　　　　　　　は、朝夕の食事に顔を出さなくなります。
　　　　　　　そこで、天皇は、小碓命（倭建）に、「食事に出てくるよう
　　　　　　　に、お兄さんに言い聞かせなさい」と言うのです。

　　　　　　　ところが、倭建の、「やさしく言い聞かせる」は、いわゆる、
　　　　　　「かわいがってやろう」の「かわいがる」と似たようなものだ
　　　　　　　ったらしく、「厠に行こうとするところを手足をもぎとって、
　　　　　　　薦に包んでうっちゃって」おくのです。

　　　　　　　お父さん・景行天皇は、びびります。
　　　　　　　そこで、厄介ばらいのように、「熊襲が言うこと聞かないか
　　　　　　　ら倒しなさい」と、遠くへやってしまいます。

　　　　　　　ところが、さすがやんちゃの建くんは、守備よく熊襲を倒し
　　　　　　　てしまうんですね。

　　　　　　　仕方ないので、「じゃ、次は東国が言うこと聞くように、痛
　　　　　　　い目見せてやりなさい」と遠くへやります。

　　　　　　　建くんは、伯母さんに愚痴ります。「父さんは、僕に死ねと
　　　　　　　言うんでしょうかねぇ・・・。」って。
　　　　　　　伯母さんは内心、「そうみたいやねぇ」と思ったでしょう。
　　　　　　　が、口に出さず、草薙の剣と火打石を与えるんですね。
　　　　　　　この伯母さんはシンデレラに出てくる魔法使いみたいなもの
　　　　　　　でしょうか。この火打石と草薙の剣は、建くんの危機を救い、
　　　　　　　建くんは、また、勝ってしまいます。

　　　　　　　故郷に帰る途中、出征の途中で結婚を約束した、美夜受比売
　　　　　　（みやずひめ）を迎えに行った建くんなのですが、タイミング
　　　　　　　悪く、美夜受ちゃんは、月のものの最中でした。

　　　　　　　建くんは、「あ、月経中なんだね？」と聞きました。
　　　　　　　美夜受ちゃんは、「月経中なの」と答えました。
　　　　　　　そして、二人は結ばれました・・・。
　　　　　　　ん〜〜〜〜〜、どっちにしろ結ばれちゃうんなら、月経かど
　　　　　　　うかなんて、書く必要ないと思うんですが、なんか意味ある
　　　　　　　んでしょうか？？

　　　　　　　そして、美夜受比売のところに留まられた、倭建命は、荒ぶ
　　　　　　　る神を退治されますが、油断から雹に打たれ、病に倒れ、そ
　　　　　　　の魂は、白鳥となり、故郷へ向かいます。　　　　　　

　　　　　　　どうです。建くんは、やんちゃでなかなか、魅力的ですね。
　　　　　　　それに対して、日本武尊様は、手の届かない英雄ですが。

　　　　　　　この神社の祭神は、「日本武尊」。日本書紀の表記をとって
　　　　　　　いますが、この地は、「建部氏」縁の地で、彼らが自分達の
　　　　　　　祖神を祀ったのが始めであると言われるのだそうです。
　　　　　　　であれば、もともとは、「倭建命」がおられたのかも、知れ
　　　　　　　ないですね。