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佐波加刀神社

sawakato




  祭  神:日子坐王 大俣王 小俣王 志夫美宿禰王 沙本毘古王 袁邪本王
       佐波遲比賣王 室毘古王
  説  明:案内板を引用します。
      「当社は、延喜式内社として伊香四十六座の一社として、その名を古典に留め
       御神像は日子坐王と一族である、大俣王、小俣王、志夫美宿祢王、沙本畏古
       王、袁邪本王、佐波遅比売命、室毘古王坐像が祀られており、これら八躰は
       鎌倉時代初期の秀作として国の重要文化財に指定されています。
                                木之本町教育委員会」
       境内石碑を引用します。
      「御祭神 日子坐王(開化天皇の皇子) 大俣王 小俣王 志夫美宿禰王 沙
       本毘古王 袁邪本王 佐波遲比賣王 室毘古王
       御由緒 本社は元、百聞山に御鎮座ありしを天平年間現在の地に遷座す。社
       殿は万治三年及び嘉永三年に再建さられたるものなり。當社は延喜式神名帳
       に載せられたる近江国一百五十五座の中、伊香郡四十六座の随一なり。
       即ち神紋は一の宮の文字を図案化せしものなり。
       御神像八体は明治三十四年三月、国宝に編入せられ、更に昭和二十五年八月
       に重要文化財に指定せられたり。
       日子坐王の御陵墓は岐阜市岩田町北山にあり。
       祭祀 例祭四月十六日
       旧跡 百聞山 當(のぎへん)鳥居坂
              
  住  所:滋賀県長浜市木之本町川合1277
  電話番号:
  ひとこと:サホヒコが祀られる神社があるとは思ってませんでした。
       過去に調べたときは見つからなかったんですけど、探し方が悪かったんでしょ
       うね。
       
       今もう一度調べたところ、同じく滋賀県愛荘町の御霊神社にも祀られているよ
       うです。
       こちらの御祭神は、袁邪本王命 狹穗彦命 狹穗比当ス。
       袁邪本王淡海氏の祖とされていますから、そのご縁でしょうね。
       ちなみに、袁邪本王の娘が沙本之大闇見戸売。
       狹穗彦命と狹穗比当スの母親です。
       
       とすれば多分、サホヒメはこのあたりの出身だったのでしょう。
       
       湖北にはどうにも強い印象が拭えません。
       
       私がここを初めて訪ねたのは20歳のころ。
      「琵琶湖で溺れた死体は、深い湖底に引き込まれ、なかなか浮かぶことができな
       い。水底の水温は低く、バクテリアがほとんど存在しないため、その骸は腐る
       ことなく、何年か後湖面に現れたときも、生きているときとほぼ変わらない姿
       である」
       そんな話を読んだからでした。
       
       今調べてみたら、阿刀田高氏の『ゆらめく湖』という短編で、角川文庫の『異
       形の地図』に収められていました。
       
       私はどうも、この作者の文章のクセが鼻につくのと、女性描写が生理的に合わ
       ないのですが、この単行本は捨てずにおいてありましたから、よほど気になっ
       ていたのでしょう。
       
       この物語の中で、もっと興味を惹かれるのは、
      「琵琶湖の老漁師が、いつもの漁場でまったく魚が獲れないのに首をひねってい
       ると、にわかに湖が湧き上がり、鎧甲冑、体中に弓矢を突き立てた武者の死骸
       が、ポコポコと浮かび上がった。
       そして時間が過ぎ、われに帰ったとき、湖面は元の静かな姿を取り戻していた
       のである」
       という部分。
       
       湖北は、姉川の合戦やら、賤ヶ岳の合戦やらありましたから、ありえない話で
       はないように思えて、非常にそそられたんですよ。
       
       この話をFacebookですると、
      「その琵琶湖のはなし、地元の方々がみなさん同じことを言われてますよ。
       私、高校生のとき 私の泳いでいるそばで溺れて亡くなるという事故があった
       のですが、その時捜索されてる地元の方たちがみなさん「琵琶湖で溺れると浮
       いてこない」って言われてました。(場所は堅田です)
       捜索されてる方たち、琵琶湖はいきなり水深が深くなるから 水温の差が大き
       くて溺れて沈んだら浮いてこない。 何日もたって流れで上がってくるんだっ
       て言ってました。
       その事故があったのも午後の早い時間だったと思いますが、見つかったのは、
       翌早朝だったように覚えてます。(ママ引用)」
       と、仕事に趣味にと、驚くほどの知識欲と行動力をもつ、酒仲間が教えてくだ
       さいました。
       
       そんなことを思い出しながら、サホヒコとサホヒメ、そして垂仁天皇の恋物語
       を想像するとね。
       
       彼らの恋の発端がこの地であることが、この上なくふさわしいように思えます。

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