燕(つばめ)
伝 説:日本で繁殖する、南国からの渡り鳥です。
春先に日本へ渡来するため、この鳥も「春告げ鳥」という別名で呼
ばれることがあります。
春先に鳴き声を聞かせる「ウグイス」。
春先に姿を見せる「ツバメ」。
どちらも「春告げ鳥」の名にふさわしい鳥だと言えるでしょう。
親指姫がねずみの家で暮らしているとき、彼女の家のそばで死にか
けていた鳥が、このツバメです。
「あんなに弱ってちゃ助かりっこないよ」
意地悪く言うねずみのおばあさんの言葉を聞かずに、親指姫は心を
籠めて看病します。
こうして元気を取り戻したツバメは、
「私はもうすぐ南の国へ旅立ちます。一緒に行きませんか?」
と親指姫を誘いました。
実は、親指姫は、大金持ちのもぐらに求婚されていました。
しかも、お世話になったねずみのおばあさんはこの結婚に非常に乗
り気で、どんなにいやでも、断れそうになかったのです。
ですから、親指姫にとって、ツバメの申し出は、渡りに船。
リボンで互いの体を強く結び付けると、暖かい国へと飛び立ったの
でした。
彼女がそこで出会った素敵な王子様の話や、彼らを祝福するツバメ
のその後の幸せな生活については、どうぞ楽しい想像をふくらませ
てください。
蛇 足:商店街の軒先に、土でできた巣をつくるツバメ。
家にツバメの巣があると幸せがやってくるという俗信があるため、
糞害も、それほどは迷惑がられていないようです。
大きな口を広げて親に餌をねだる雛鳥も大変愛らしくて。
春の楽しみの一つです。
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