蛇婿5
物語の分布 :全国
登場人物名(物語名):薬=藁灰と刻み猪の毛
(今昔物語巻第二十四)
モデルとなった人物等:
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物語の骨子:娘が桑の木に登っていると、大蛇がそれに巻き付き、交接を遂げる。
蛇が娘の体から離れないので、医者を呼ぶ。
医者は薬を作り、女陰に入れる。
蛇は離れ、蛇の子(精子)も出る。
しかし、何年か後に、またこの女は蛇に交接され、ついに死ぬ。
蛇 足:蛇の男根ってどこにあるんでしょうね?
なにしろ脚がないもんで、「脚の付け根」という想像ができないもんです
から(^^ゞ
蛇を男根の象徴と見るムキもありますが、
その為か、昔話にでてくる蛇は、総じて好色みたいですね。
しかし、この物語は、「蛇の精子は蛙の卵のようだった」などと、結構、
描写が細かい場合が多いようです。
なんでも、蛇の交接は、かなり長時間に及ぶらしいですから、人間にと
っては、それが「不気味」に映ったのかもしれないですね。
ここで、一応、注意を喚起しておきたいのは、娘は「桑の木」に登って
いたときに、蛇に目をつけられた、とわざわざ書かれていることです。
なんのために?
「蚕の餌にするために」
です。
つまり、かなり遠まわしではありますが、
「絹糸=織物」と関係があることを見出すことができるんですよ〜・・・
ってこじつけかしらん(~_~)
また、「京都の伝説 丹後を歩く」には、
「桑や蚕が雷神を招き、これを制圧する力を有したとする俗信は、養蚕発症
の中国においては太古の昔に溯る」
とあります。
とすると、この蛇は「雷」だったかもしれませんね。
参考文献等:岩波文庫「今昔物語 本朝部(中)」
株式会社淡交社「京都の伝説 丹後を歩く」
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