蒲(がま)
花 言 葉:従順 慈愛 救護
伝 説:大国主命が因幡の浜を通りがかったとき見たものは、皮を剥がれて真っ
赤な剥きだしの肌を見せた小さなウサギでした。
ウサギは隠岐の島から因幡へ渡りたいと思い、ワニザメたちを、
「数を数えるからずらっと並んでごらん」
と並ばせて、その上を飛んで渡ってきたのですが、因幡の浜に飛び移る
直前に、
「や〜い、数を数えるなんて嘘だよ。本当はこちらに渡りたかっただけな
のさ」
とつい言ってしまったのでした。
怒ったワニザメたちは、ウサギの皮を剥いで、海の中へ戻っていきまし
たが、取り残されたウサギは肌の痛みに耐えかねて泣いていたのです。
大国主命はそれを見て大変可哀そうに思いました。
そこで、ウサギのために蒲の穂を集めると、
「まずは川の清らかな水で体を洗い、この上を寝転がってごらん」
と教えました。
ウサギがそのようにすると、見る見るうちに傷が癒え、新しい毛皮が生
えてきたのです。
喜んだウサギは、「あなたがこれから求婚しようとする姫はきっとあな
たを選ぶでしょう」と予言し、その通りになったのでした。
蛇 足:有名な因幡のウサギ伝説ですが、ウサギは「白兎神」と呼ばれる神であ
ったとされています。
この物語を読んだ限りでは、この白兎神は、恋をかなえる神であるよう
ですね。
蒲の穂を見ると、なんとなく嬉しい気持ちになるのは、そのためでしょ
うか?
参考文献等:古事記 日本書紀
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